アルミニウムが実現する軽量化
自動車業界を取り巻く環境は大きくかわりつつあります。
環境問題への対応やそれに伴う自動車の電動化。今、120以上の国と地域が2050年カーボンニュートラルという共通目標を掲げています。
自動車開発での課題のひとつが、CO2排出量削減=燃費規制への対応です。
CO2排出量削減に最も効果的なのは車体の軽量化であり、そこで注目されるのがアルミニウムです。鉄の比重が7.8に対してアルミは2.7。比強度(単位重量当たりの強度)が大きいアルミは、軽くて強い素材です。さらに、熱間鍛造という工程を経ることで、アルミのポテンシャルは最大となります。
これまで自動車におけるアルミ鍛造品の採用は、コストの制約により一部のスペシャルカーに限られてきました。しかし現在では、スポーツカーやハイクラスのセダン、SUVなどにも採用されており、バッテリーやPCUの重量が大きい為に車体の軽量化が必須であるEV・FCV等の次世代車に至っては、アルミ鍛造品の採用は最適であると言えます。また、加工性・耐食性が良く、わずかなエネルギーでリサイクルできるのも大きな魅力です。
今後も自動車の軽量化がより一層求められ、アルミの需要拡大が見込まれています。
自動車向け素材の仕様比率
(20年以降は予測)
